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Wireless EV Alliance

EVワイヤレス給電協議会とは?

設 立 趣 意

背 景

運輸部門におけるCO2排出量の削減に向けた施策として、世界的に電気自動車(EV)の普及が求められている一方、我が国では欧州や中国と比べ普及が遅れています。そのため、EVの利便性向上と電力インフラの効率的な利用が、温暖化対策への貢献を強化する鍵となっています。EVワイヤレス給電は、この課題解決に向けた有望な社会インフラとして期待されています。
 そのような中で、国内でEVワイヤレス給電の導入促進と産業発展を実現するためには、十分な社会の理解を得て面的な整備を実現する必要がありますが、個別の民間企業・研究機関の活動だけでは達成することは困難です。電力・機械・自動車・道路・運輸等の様々な分野の産学官が連携し、EVワイヤレス給電の普及促進や制度化 ・標準化・事業化に資する各種検討・対外活動等に取り組む必要があります。
 そこで、EVワイヤレス給電を社会インフラとして整備していくため、民間企業及び研究機関が協力する場として、また行政機関と業界をつなぐ窓口として「EVワイヤレス給電協議会」(以下「本会」といいます。)を設立します。我々は共に未来に向けて歩み、持続可能な社会の構築に貢献します。

目 的

上記の背景からEVワイヤレス給電協議会の目的(活動項目)は以下の通りです。

1

EVワイヤレス給電の社会インフラ化の推進

2

実用化・普及促進の対外発信・啓発

3

標準化活動の推進

活 動 方 針

EVワイヤレス給電協議会は以下の価値観に基づき行動します。

1

環境への貢献・・・EVの普及を通じて、運輸部門のCO2排出量削減に貢献し、地球環境への配慮を重視します。

2

共同作業と協力・・会員企業との連携を大切にし、共同で課題解決に向けて協力します。

3

事業化推進・・・・産業の発展と会員企業の収益化に貢献するため、EVワイヤレス給電の事業化に向けて活動します。

4

情報公開・・・・・業界の透明性を重視し、情報の公開と共有を通じて信頼性を確立します。

会 長 挨 拶

会長 堀 洋一

電気自動車(EV)に使われるリチウムイオン電池はクリーンでも脱炭素でもなく,原料のレアメタルには政治的な問題がつきまとう。EVは航続距離が稼げないから電池を大量に積むべきだと考えられてきたが,電気は発電したらすぐ使うべきであって,電気エネルギーをためて使うのは賢くない。電池は必要最小量積むのがよい。
しかしながら,EVは大量の電池を搭載することで内燃機関車なみの航続距離をもつこととなり,ようやく実用の域に達した。当協議会はワイヤレス給電(WPT)を活用して充電のユーザビリティを上げることで,まずはEVの普及を支援したい。そこでは,双方向の電力授受を行って,走行エネルギーをEVに供給すると同時に分散型エネルギーリソース(DER)としてV2HやV2Gの実現に役立つだろう。EV電池をインフラにつなぐには,家庭や事業所・駐車スペース等に設置される停車中ワイヤレス給電(SWPT)が優れている。これは必要な通過点である。
そして,その先には走行中給電(DWPT)という究極の経路充電がある。これは車載電池の量を劇的に減らすことのできる仕組みであり,乗用車のみならず,トラックやバスなど大型車への恩恵がとくに大きい。欧州では電化道路の整備が計画され,官民連携して大規模な実証実験を行ってすでに採用技術の選定段階にある。また,今後開発が進むであろう自動運転には,停車中でも走行中でも共通のワイヤレス設備と制御システムで給電できる,継ぎ目のないシステムが望ましい。

協議会(業界団体)を作る最大の目的は,「走行中給電をやらないと日本は滅びる」と考えている人々がたくさんいることを世の中に示し,とくに「官」には強いリーダーシップを発揮してもらって,皆が一丸となってWPTのインフラを実現し世界にお手本を示すことにある。長岡市など雪国の道路に敷設された消雪装置がよいモデルケースである。毀誉褒貶はあったが,田中角栄元首相が主導して反対する人々を説得したことは有名である。
モビリティーの電動化,さらには,資源と政治に左右されないエネルギーの未来のために,次の3点を意識しながらものごとを進めたい。「なんでも白黒つける習慣をやめる」「短期の成果を求めない」「棲み分けを求めない」こと。ワイヤレス給電は必ず大きな産業になるので参入したいが,いまは様子見という企業が少なくない。しかしそういうスタンスでは未来永劫チャンスは来ない。早く入れば先見性があったということで大きな顔もできる。やるなら今である。
日本人は,新しいが当面都合の悪いことには目をつぶってしまう悪い癖がある。EVビジネスにおいて,なぜ日本がここまで後れをとってしまったのか,よく反省すべきである。ワイヤレス給電はいま世界中で熾烈な開発競争下にある。日本がいつもの決断力のなさのせいで,技術で勝って施策で負けるということのないよう,心から願っている。ぜひ一緒にやりましょう!

主な活動・計画

活 動 項 目・内 容

1

EVワイヤレス給電の社会インフラ化の推進

経済的合理性があり、誰もが参入できる産業構造を目指す。

都市、交通などの課題解決のために、自動運転等の技術におけるEVワイヤレス給電技術の有益性の理解促進を目指す。

2

実用化・普及促進の対外発信・啓発

社会インフラとして認知向上させ、業界の活性化に寄与する。

社会インフラとしての整備を推進するため、関連制度の整備など官公庁と丁寧な対話をして進める。

3

標準化活動の推進

EVワイヤレス給電技術の相互運用性やセキュリティ確保のために標準化活動を行い、相互利益のある基準・規格の確立を目指す。

活 動 S T E P

主 な 活 動 計 画

活 動 実 績