E V ワ イ ヤ レ ス 給 電 と は ?
ワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transfer:WPT)、ワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transmission)、ワイヤレスエネルギー伝送(Wireless Energy Transmission:WET)、または電磁電力伝送(Electromagnetic Power Transfer)は、物理的なリンクとしてワイヤを使用しない電気エネルギーの伝送である。
ワイヤレス電力伝送システムでは、電力を供給する送信デバイスが、空間を介して受信デバイスに電力を伝送する時変電磁界を生成し、受信デバイスは電磁界から電力を取り出して電気負荷に供給する。ワイヤレス電力伝送の技術は、電線やバッテリーの使用をなくすことができ、それによってすべてのユーザーにとって電子機器の可動性、利便性、安全性を高めることができる。ワイヤレス電力伝送は、電線の相互接続が不便であったり、危険であったり、不可能であったりする電気機器に電力を供給するのに有用である。
Wikipedia(Wireless power transfer)
https://en.wikipedia.org/wiki/Wireless_power_transfer より引用
E V へ の ワ イ ヤ レ ス 給 電 導 入 に よ る 効 果
ユーザーメリット | 無駄な時間の削減 | ちょっと停車中に充電&移動しながら充電することで、充電時間・待ち時間を削減、車両回転率を向上 |
スペースの削減 | 駐車場や公道の路面下に設置することで、充電スペースの削減 | |
車両費用の削減 | ちょこちょこ充電でバッテリ容量削減または長寿命化を実現することで、車載バッテリの費用を削減 | |
手間の削減 | プラグの抜き差しにかかる作業の削減、自動運転と組み合わせることで運用を完全無人化 | |
メンテナンスコスト削減 | 充電器が路面に埋め込まれるため、有線充電器と比較し露出部が少なく、劣化し難い | |
メリット 環境 |
電力問題の解決 | ワイヤレスV1G/V2G制御による電力市場における再エネ利用率向上やダックカーブ問題の解決に繋がる |
バッテリ生産の抑制 | バッテリ容量削減または長寿命化により、バッテリ生産時のCO2排出を削減 |
作成:株式会社 三菱総合研究所
各 方 式 の 説 明
ワイヤレス給電(電力伝送)は、電磁界によってエネルギーを伝送するための数多くの異なる技術の総称である。以下の表に記載された技術は、電力を効率的に伝送できる距離、送信機を受信機に向ける必要があるかどうか(指向性)、使用する電磁エネルギーの種類(時間変化する電界、磁界、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線)が異なる。
技術情報 | レンジ | 指向性 | 周波数 | アンテナ・デバイス | 現在/または将来の可能性のある アプリケーション |
誘導結合 (磁界結合) |
ショート | 低い | Hz – MHz | ワイヤーコイル | 電動歯ブラシやカミソリのバッテリー、IHクッキングヒーター、工業用ヒーターの充電 |
共振誘導結合 (磁界共鳴) |
ミッド | 低い | kHz – GHz | 同調ワイヤコイル、集中素子共振器 | 携帯機器(Qi)、生物医学的インプラント、電気自動車、バス、電車、MAGLEV(磁気浮上)、RFID(RFタグ/ICタグ)、スマートカードの充電 |
容量性結合 (電界結合) |
ショート | 低い | kHz – MHz | 金属板電極 | 携帯機器、大規模集積回路における電源配線、スマートカード、バイオメディカルインプラントの充電 |
磁力結合 | ショート | N.A | Hz | 回転磁石 | 電気自動車、バイオメディカルインプラントの充電 |
マイクロ波 | ロング | 高 | GHz | パラボラアンテナ、フェーズドアレイ、レクテナ | 太陽光発電衛星、ドローン航空機への電力供給、ワイヤレス機器の充電 |
光波 | ロング | 高 | ≥THz | レーザー、フォトセル、レンズ | 携帯機器への充電、ドローン航空機への電力供給、宇宙エレベータ クライマーへの電力供給 |
Wikipedia(Wireless power transfer)
https://en.wikipedia.org/wiki/Wireless_power_transfer より引用
ワ イ ヤ レ ス 給 電 の 事 例
ワイヤレス給電の方式としては、各方式の説明に示す通り多種の方式があるが、その代表例として磁界共鳴方式について説明する。
磁界共鳴方式によるワイヤレス給電
地面に敷設した送電コイルから電動車側の受電コイルへケーブルやプラグをつながずに電力を供給する仕組み。
駐車場など停車している電動車に対して充電するSWPT(Static Wireless Power Transfer)と、道路に連続的に送電コイルを埋設して、走りながら充電が可能なDWPT(Dynamic Wireless Power Transfer)がある。
作成:株式会社 三菱総合研究所
普及が進んでいる有線充電器との違い
普及が進んでいる有線充電器と基本的な車両側の構成は同じ。
有線充電器は、車両の充電口を開けて、充電器からケーブルを伸ば接続し、充電口に差し込む手間が発生。
ワイヤレス給電器は、車両の下部に取り付けてあるコイルが路面側に設置されているコイル上に来ることで、自動的に充電を開始。充電ケーブルが絡まる恐れもなく、充電忘れもない、安全・安心・便利な方法の1つ。
作成:株式会社 三菱総合研究所
関 連 資 料 の リ ン ク